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村田峰紀|+


日本大通り駅のギャルリー・パリでのフランシス真悟さんの個展から、横浜で東海道本線に乗り換えて、馬喰町のギャラリー・ハシモトの村田峰紀さんの個展へ向かいました。ちょうど、豪雨と落雷のある前に、その場所を通過していましたが、多摩川花火大会は中止になりました。あとで、テレビのニュースを見たら、横殴りの雨の映像と落雷の写真がものすごかったです。

会場には、ビデオや新しい版画作品!ばかりでなく、8月4日に行われた、鈴木ヒラク氏とのドローイングセッションが圧巻のインスタレーションになっていました。なにか身体の奥でざわめくような、痕跡がその場に残っているようでした。

村田さんのボールペンで刻み込まれた線と鈴木さんの銀色のペイントが重なり合っているのを、俯瞰しているように観ていたとき、映画『メッセージ』(原題:Arrival/原作:テッド・チャン著、SF短編小説「あなたの人生の物語」("Story of Your Life")を思い出していました。地球に飛来した宇宙人が用いる表義文字が、これは毛筆の漢字のようなもので意味を伝えるというだけでなく、その言語体系や表記の手段そのものに、はじまりからおわりまでを見通す知識を得る、すなわち人生の意味を知ってからもなお、その人生を選択することに、自分が自分に対して成す、成される「説明」というものがあることを知るという、個人的かつ普遍的なメッセージとなっていることに非常に感慨深いものがありました。同時に、これはアーティストが表現するものの本質、作品の「自己言及性」との親和性を感じていました。このお互いの線の痕跡が絡み合って走っているのを観ていると、セッションの後先に、彼らしか知り得ない共時性を、いま、なぜそれが起こらないのかではなく、起こったのかとでもいうような状態を観察していると感じるのです。必見です!

そして、忘れてならないことがもうひとつ。

2016年11月20日に、前橋市芸術文化れんが蔵で行われた、首くくり栲象氏と村田峰紀氏と山川冬樹氏の共同パフォーマンス『間人』のドキュメントが美しい写真ポスターとDVD(期間中特別価格3000円)になって、発売されていることです!

村田峰紀「+」

会期:2017年8月19日~9月9日

会場:ギャラリー・ハシモト

住所:東京都中央区東日本橋3-5-5 矢部ビル2F

電話:03-5641-6440

開館時間:12:00~19:00

休館日:日曜日、月曜日、祝日

観覧料:無料

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